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平成3年に発生した一の瀬地区地すべり(島根県)において赤外線写真を撮影し、それと通常の写真との比較を行った。その結果を以下に述べる。
赤外線写真は通常の可視光線を使う写真と違い、より波長の長い赤外線を利用するものである。肉眼で見える世界ではないので、その結果(効果)は現像結果を見るまで不明だが、ある程度は予測可能である。
たとえば、紅葉樹の葉は明るく、針葉樹は暗く写る。赤外線をより吸収するのは針葉樹である。また、川などは黒く写る。やはり赤外線を吸収するからである。
ここで、注目したいのは、地表の湧水箇所からながれる水のあとが、やや白く写っていることである。なぜそういうトーンなのかは不明だが、これを利用することで、湧水箇所の写真判定も可能かも知れない。
この写真は通常のネガカラーの写真をモノクロプリントしたものである。可視光線の範囲内の「色」のトーンで濃淡が決まっている。
ひとつ問題がある。赤外線写真は普通のラボでは取り扱っていない。赤外線が目に見えないため、不測の事故が発生しやすいからだ。ここに紹介した赤外線写真はすべて自前で現像したものである。