土が支える蕗の薹

藤井三千勇


 2月も終わりに近づくと何となく春の息吹を感ずる頃である。会社の周りにもそろそろ蕗の薹が雪の間から芽を出す様になる。
 会社の周囲には20年位前に道路にアスファルト舗装をしていた。
 今年驚いたことに、舗装とブロックとの境付近に明らかにアスファルト舗装をぶち抜いて蕗の薹が雪の間から芽を出しているではないか。(写真の通り)
 蕗の薹を支えるのは蕗の根であり土である。土とそこに住む微生物とが協力し、20年の歳月をかけて蕗の根をはらせ、ようやくアスファルトを攻略したのである。

 このことからも、土は生命と環境を育む我々にとって重要なものであることがわかる。
 ところで、都会の道路の下の土はどうなっているのか、生きているのか、死んでいるのか。
 地表からの水と空気と光の供給は途絶され、真っ暗闇では息も出来ない。恐ろしいことである。生命と環境を育む力をもはや失っているのではないかと心配である。
 私達はこの様に息の出来ない都会の光景を美しいと感じてはいないだろうか。美しいことの常識を土の視点から見直す必要がある様に考える。

追記
 この蕗の薹は、蕗の薹味噌にして美味しくいただいた。そして蕗の薹の出た範囲のアスファルトを取り除き、蕗の薹が出やすくしておいた。来年はもっと多く蕗の薹が出来ることだろう。
 土が喜んでいるのが感じられる。。