国際防災会議の参加報告

藤井俊逸


  1. はじめに

2004212日・13日に韓国ソウルで国際防災会議が行われた。当社と韓国の技術士会(土質及び基礎)との共同論文を投稿し、発表した(発表は韓国側)。これは韓国で技術提携を結んでいる地質調査会社の茶山の朱載建会長が、技術士会(土質及び基礎)の会長をされている関係である。

国際会議は初めてのことであったので、今後の参考になるよう報告を行う。

  1. 国際防災会議の内容

    1. 国際防災会議のスケジュールを資料-1に示す。防災に関する幅広い内容となっている。

    2. 特に今回の国際防災会議ではIT技術が着目されている。

      1. 被害状況の評価

      2. 緊急情報伝達

      3. 被災後の情報コミュニケーション

  2. 発表内容

発表は次のような構成としている。

    1. 日本の土砂災害の発生状況

    2. 土砂災害に適用するIT技術の動向

    3. IT技術を防災に適用した事例

      1. 無線式伸縮計を活用した防災システム

        1. システム構成

        2. 特徴

        3. 観測器の仕組

        4. 無線通信方法

        5. データ活用方法

      2. 防災システムの適用分野

        1. 地域防災

        2. 災害対策

        3. 工事安全管理

      3. 適用事例

    4. 今後の課題

内容の詳細は本誌の巻末の投稿論文を参考とされたい。

論文は当社の藤井三千勇、藤井俊逸、柾成隆で原案を作成し、韓国技術士会(土質及び基礎)の趙成夏が最終校正を行い、英語論文とした。

  1. 参加した感想

    1. 国際会議では防災に関する理念的な説明が多かった。われわれが通常の業務を実施していく上では日本の基準や県の基準などを中心に物事を決定していくケースが多い。もちろん基準に従う必要はあるが、その上に隠れている考え方の理念を知り、本質を捉えた検討を行っていく必要があると感じた。

    2. 参加者は韓国人が7割でその他の国が3割程度であり、日本からの参加者はほとんどいなかった。会議は英語と韓国語の同時通訳で行われた。国際会議では英語によるコミュニケーションが主体となるため、「日常会話」と「自分の専門分野」に関して英語でもコミュニケーションがとれるようにしておくことが必要と感じた。

    3. 韓国の技術者は勉強熱心であり、バイタリティもある。またアジア、アメリカなど他国の技術を吸収する意欲を感じることができる。

  2. おわりに

国際防災会議に参加し、日本の建設コンサルタント技術者の将来を不安に思った。

    1. 基準に沿った考え方に慣れてしまい、自分の思想や考え方が無くなってきている。本質的な検討を要求された際、適切なコンサルティングができない人が多くなってきている。

    2. 「自分の飯の種」に対して自己投資が少ない。

ちなみに韓国では仕事をしてからもほとんどの人が日本語学校や英語学校、スキル向上のための専門学校に自費で通っている。

    1. 時代の要求に合った、幅広いものの見方ができる技術者が不足している。

たとえば道路計画を行う場合でも、色々な要素を複合して考えていく時代になってきている。色々な要素の情報収集を行い、それらの関連性を調べたりしながら、結論を導いてくることが要求されている。それに対して技術者同士の連携が不十分であったり、専門分野の技術だけで満足し、幅広い知識が欠如したりしている。

建設コンサルタントの技術者として「井の中の蛙」にならないように心がけたい。


写真-1 国際会議場の様子


写真-2 左より 藤井俊逸、趙成夏(発表者)、藤井社長